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僕は感じたよ。この子は僕のそばでただ静かに咲き誇ってくれるだろう……とね
おしゃべりなフラワー
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ボヘミア編集部 K
この作品が描かれていた時期は櫻井先生との打ち合わせの際に
どんな風に作品を作っていこう・作ろうかということをよく話していた。
ボヘミアvol.1掲載の「おべんと自慢‼」が作られた経緯は
内臓にお弁当が入っている女の子の絵を以前先生が描いたことがあるのと
小学生の頃の遠足でお弁当を一緒に食べる友達がいなくてトイレの近くでトイレの臭いを嗅ぎながら
お母さんの弁当を食べていたという
2つのイメージを組み合わせて作られた作品であったそうだ。
櫻井先生から見せていただいたノートや過去のイラスト本からは異形な姿のキャラクターや女の子が何百体も描かれていて
それを当時読んだときはなんていじわるで、多くのアイディアを形におこす才能のある人なんでしょうと強く感じた。
今回書評を書かせていただいているおしゃべりなフラワーも最初は
静かに咲く植物をあえて鬱陶しいくらいうるさくて、いじわるなキャラクター(女子)に
してしまおうという櫻井先生の発明から生まれた作品である。
花のように可憐な女の子たちの二面性を櫻井先生は見抜き、キャラクターのデザインと性格を設定し
それをイメージから漫画表現(キャラ)におこしているところが素晴らしい。
明記はしていないもののたくさんの言葉遊びやネットスラング・隠語を物語の進行を通してメッセージに詰められており
例えば
「パパ活」の姫という一節があるが
江戸時代あたり~「花売り」という売春の隠語がありそれを現代の表現にまで落とし込んでいるところや
ラストシーンはおしゃべりなフラワーたちを献花に添えたり(悪意に溢れている)と
洒落た表現が点在している。
全員クズしかいない漫画だがそこには爽快感すら感じられた。
いじわるで、加害者で、甘えのない、泣く人間のいない
人の道を外れた「強い」漫画はいかがでしょうか。