宇都宮店コミック担当の福田でございます。
今回紹介する本は、小学館クリエイティブから発行された手塚治虫劇画作品集「花とあらくれ」です。
貸本短編誌に手塚の名前を目にする事はあるものの、
その殆どが再録作品・原案のみ(絵は他の漫画家)や、エッセイなどで新作の発表はありませんでしたが、
鈴木出版で発行された貸本短編誌「X」の、
・「刹那」(「X」創刊号/昭和34年6月25日発行)
・「落盤」(「X」第3号/昭和34年9月15日発行)
・「花とあらくれ」(「X」第5号/昭和34年12月15日発行)
は書き下ろしで、貸本短編誌で発表した作品は後にも先にもその三作品だけになります。
三作品とも絵は「手塚漫画」ですが、テーマは劇画的で読者の年齢を意識した内容となっています。
当時貸本を読み漁っていた人たちにしたら、手塚治虫は子どもが読む漫画だ、とか言ってたのでしょうか?
各作品とも手に汗握る展開は、劇画の隆盛により内心穏やかではなかった手塚治虫の気迫が伝わってくるようで、何でも描ける才能と短編漫画のお手本を読者に見せ付けているようです。
「花とあらくれ」の主人公はどこか無免許の天才外科医の雰囲気がありますね。
劇画短編誌に作品を載せたから「劇画」を描いたのかもしれませんが、手塚治虫のタッチそのままで「子どもから大人になりかけ」の読者を唸らせる作品を描いたのだから手塚治虫は「漫画」を貫いたようにも感じます。
後の「きりひと賛歌」や「奇子」など後年の青年コミック名作群のスタートラインとなった記念すべき作品たち、是非一読を。
宇都宮店 福田
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