まんだらけ コラム

夏こそスポーツ!スポ根マンガ

甲子園も終わり世界陸上も終わり、スポーツにおける夏も終わりに近づいています。
ワールドカップもオリンピックもない年というのはつまらないものですね。

しかしマンガの中はまだまだ夏だ! スポーツだ! というわけで、
まんだらけ恒例のマンガ紹介コラムのお題その2は「夏こそスポーツ! おすすめスポーツマンガ」です。

今年は「MAJOR」そして「おお振り」と野球アニメがヒットしたこともあるのですが、ほかのスポーツだって負けてないです。
いきおい長編マンガが多いので、一度ハマるとノンストップになりがちなジャンル。
いずれも代表作ばかりなので、まんだらけの各店で大半のタイトルがそろいますよ。ぜひぜひどうぞ。

「スプラッシュ!!」

千葉きよかず/漫画 松田康志/原作


新潮社 バンチコミック

スポ根の中でも読みやすくこの季節にぴったりな作品をおすすめします。
内容は超負けず嫌いの女子高生が「飛び込み競技」と出会いバレエで鍛えた抜群のバランス感覚を武器に挑戦して行く話です。

お約束の優秀なコーチや意地悪なライバルも沢山出てきます。
トラウマや葛藤も絡んで、まさに王道なスポ根漫画です。
でも絵がさっぱりしているのと全5巻とまとまっているので、読み終わった後、清涼感が残り読みやすい。

ちなみにタイトルのスプラッシュとは飛び込んだ時のしぶきの事で、ノースプラッシュ(飛沫を上げない見事な飛び込み)が高得点だったりします。

渋谷店/松下

「ドカベン」

水島新司


秋田書店

夏。夏といえば高校野球。高校野球といえばドカベンです。
今やプロとして活躍しているドカベンこと山田太郎達がライバルを打ち破り甲子園制覇を目指した、 あの頃の情熱をもう一度感じてみませんか?今のプロ編も面白いですが初期のドカベンは野球少年だった僕らにとって憧れ的存在でした。
中でも殿馬の「白鳥の湖」や、「G線上のアリア」等のそんな馬鹿なと誰もが思う野球が繰り広げられる水島野球の大作「ドカベン」を読んで、昔のように外で日焼けするまで野球に明け暮れましょう。

渋谷店/小林

「ドカベン」

水島新司


秋田書店

「BL以外でイケメンがでてくるマンガ」
「夏こそスポーツ!スポ根まんが」
この二つの題目で、私はある一つの漫画を直ぐに思い浮かべました。それは「ドカベン」です!

水島新司先生の代表作ばかりでなく野球漫画の金字塔!
夏と言えば甲子園大会!その夏に「ドカベン」をじっくり読む。サイコーです。
特に夏の大会の個所は、うだるような暑さまで体感できるハズですよ。
そして明訓高校のエースは“小さな巨人”里中智(さとなか さとる)!彼こそは“元祖イケメン・キャラ”だと私は勝手に思ってマス!

「ドカベン」連載時は今程女性が少年漫画を読まない時代。
その中で里中君は女性に圧倒的人気がありました。
作者の水島新司先生の所には連日“里中君宛て”のファンレターが届いたそうです!

ちなみに“里中智”の名は、“里中満智子”先生からとったそうです。(ついでに華麗なピッチング・フォームは阪急ブレーブスの山田久志投手がモデルです。)

中野店/足立

「アストロ球団」

中島徳博


スポーツと言えば野球!
日本人は野球が大好きですよね。
そんな野球の定番マンガの一つ。ネタとして扱われることも死ぬほど多い「アストロ球団」がオススメですよ。

熱い男達の野球マンガと書くとかっこよさげですが、「一試合完全燃焼」の名の下に何故あれほど野球で人が死ぬのか!?20年ほど時代の先を行き過ぎたと球界のドンこと川上哲治に言われたアストロ野球!未だに時代が追いつくことはできません!!
ちなみに某12歳少女には「テニプリ=アストロテニス」と評価されたこともあります。
テニプリもアストロ球団も僕も応援しています。(笑)

うめだ店/堀井

「H2」

あだち充


「タッチ」もいいんですけど、この作品があだち充の野球マンガの集大成だと思います。
ひかりのお母さんが亡くなったあたりの話はいつ読んでもウルウルしてしまいます。あと、比呂と英雄の対決も手に汗握ります。

うめだ店/吉野

「ラフ」

あだち充


ベタベタなとこで気が引けますが。。
選んだ理由は4つほどありまして。

その1。最近入ってくるアルバイトの年が一回り違ったりするんですが。。案外読んでない子が多い!ジェネレーションギャップというやつですか。。
その2。去年実写映画化されましたが僕的に原作の足元にも及んでなかったので。。
その3。友情指数が高いので。男の友情はいい!もちろん恋愛指数も爽やかで◎です。
その4。主人公の名字(大和)が僕の名前と同じで。。感情移入ドップリで読めるので。

こんな感じです。

うめだ店/奥田

「キャプテン」

ちばあきお


『アストロ球団』『巨人の星』等、スポ根野球まんがは数在れど、その中で異色?
の存在ともいえるのが『キャプテン』でしょう。
地味な中学野球を題材に、ひたむきさと努力と根性をこれでもかと詰め込み、 谷口、丸井、イガラシ、近藤の歴代キャプテンが墨谷2中ナインと共に様々な特訓を行い、数々の強豪と死闘を演じていくお話しです。

キャプテンを初めて読んだのは1984年の春。小学校4年生のことでした。
当時親戚から読まなくなったキャプテンを貰い(早い話お下がりですね)読んだのが運の尽き。はまってしまったのでございます。

当時スポーツまんがといえば『タッチ』と『キャプテン翼』が小学生の間では2大巨頭。 今思えば当時は『タッチ』も『キャプテン翼』もあまり読んでおらず、正直嫌いでした。今思えば変わった小学4年生でした。
と云う訳でキャプテンはお勧めです。
一度読んで見ることを強くお勧めします。

札幌店/山本

「たちんぼの詩」

立花誠太郎


数ある野球マンガはあれど、プロ野球の審判に焦点をあてた作品は驚きです。
その後ものすごい盛り上がりを見せ、アンパイアブームが広がり、 我も我もとアンパイアを目指し「正確無比なジャッジメント」を合言葉に社会現象になりえる事はありませんでした。

この作品はアンパイアとして人としての葛藤が終始続く、主人公成長型のストーリーでスポ根ですが、 選手を支えゲームを如何様にも演出できる審判員の重要さをこのストーリーで再確認できます。
アメリカでは野球機構・選手会だけではなく審判協会も大きな発言権を持ち、どちらが上という体制ではなくバランスをとりメジャーリーグを運営しているほどです。

そんな主人公の青年判(ばん)が様々な出会い・恋・経験の後成長し、主審を務め言い放った最後の言葉「プレイボール!!」はかっこよかったです。 「たちんぼ」ってみたときはやらしい系と思った自分が情けありません。
喜国マンガかと思いました。

ちなみ“たちんぼ”とは客待ちの娼婦の俗語以外に、立ったまま仕事をする人や長時間立ちっぱなしで仕事をする人の俗語らしいです。
言われれば審判はゲーム中、5回のグラウンド整備時以外ずっとたちんぼですよね。お疲れ様です。

野球をこよなく愛している作品である事がわかり、昭和50年代の野球漫画探求者にオススメです。

札幌店/大井

「柔道部物語」

小林まこと


「ザス・サイ・サ」でおなじみの高校柔道漫画。
読んだ事のない人はぜひ一度は読むべきでしょう。
運動部に所属していた事のある方ならばなおさら、共感するいくつもの瞬間に心打たれるはず。
夏といえば甲子園。ですがあえて柔道漫画を読みましょう!ぜひどーぞ!

札幌店/関口

「あしたのジョー」

ちばてつや


いわずもがなの名作です。
ジョーや力石の、ボクシングにかけるストイックな情熱にこちらも熱くなります。
また、「このウドン野郎」「これがほんとのとんずらだぜ」など、日常生活に生かせる粋なセリフも満載です。
ちなみにジョー派と力石派に分かれると思いますが、私は断然力石派です。

札幌店/岩城

「シュート!」

大島司


自分が持っている数少ないスポーツマンガ(これ以外に持っているのはスラムダンクぐらい・・・)で、マンガで泣きそうになった数少ないタイトルです。
別シリーズも含めれば、少年時代からのストーリーで、主人公たちが段々と成長していくサッカーマンガで、 初めて読んだときはスポーツマンガで人が死ぬなんて、かなりショックを受けた記憶があります。
仲間の死を乗り越えた主人公たちを、とてもカッコイイと思いました。

流通センター/樋口

「エリアの騎士」

画:月山可也 原作:伊賀大晃


トッププレイヤーの兄を持つ主人公・駆はサッカーが大好き。
だけれども、自分の才能に限界を感じてサッカーを辞めようと考えます。
ところが、兄弟二人、とあるハプニングに巻き込まれてしまい・・・。
兄の「心」を受け継ぎ再びユニフォームを着ることを決意した駆は、兄と自分の生め、ワールドカップに向かい走り出します。
本格サッカー漫画に、あなたのハートも熱くなること間違いなしです!

流通センター/斉藤

「おおきく振りかぶって」

ひぐちアサ


夏といえば甲子園!高校野球はプロ野球とはまた違う魅力がありますね。
この漫画はそんな魅力を存分に味わえます。
主人公の在籍する野球部は今年発足で、部員は一年生が10人。
そんなチームでも皆一丸となり、本気で甲子園を目指します。
一途に野球に恋する少年たちを、あなたもきっと応援したくなりますよ!

流通センター/斉藤

「俺たちのフィールド」

村枝賢一


すでに完結から10年近くの年月が立っていますが、その作品の熱さは衰えていません。
ちょうどJリーグ発足直前から連載が始まり、Jリーグ発足やワールドカップなどで日本で一番サッカーが盛り上がっていた時代に同じ時間軸で描かれていました。
そして、主人公とアルゼンチン留学時代からのライバルとのワールドカップでの対戦が現実のワールドカップでのアルゼンチンとの対戦と重なったことで、作品のテンションは最高の盛り上がりをみせます。
特にアルゼンチン留学以降、まるで格闘技のように肉体がぶつかり合う激しく熱いサッカーを見せてくれます。

流通センター/沢田

「デカスロン」

山田芳裕


只今、大人気連載中 「へうげもの」の作者が描くスポーツ漫画 「デカスロン」。
これが本当に熱いっ!1人で 100・400・1500メートル走、110メートルハードル走り幅跳び・走り高跳び・棒高跳び・円盤投げ・やり投げ・砲丸投げの全10種目をこなし、 各種目の記録が点数化され、その合計点で順位を争う過酷なレース。
山田芳裕の描く選手達の表情が豪快で、読み手にもその苦しさ、嬉しさが伝わってくるリアル体感漫画です。全23巻と読みごたえ充分なので、ぜひ1度読んでみて下さいな!

なんば店/佐藤

「MAJOR」

満田拓也


夏のスポーツといえば野球。野球マンガで今おすすめならば、満田拓也の「MAJOR」でしょう。
サンデー本誌ではまさしく佳境をむかえて目が離せない状況です。
主人公の野球に対する姿勢や生き様はとことん熱いものがあります。
試合の描写も迫力満点で、特に主人公の剛速球のシーンは臨場感たっぷりです。
読む年代問わずにおすすめできる読みごたえ充分の作品です。

なんば店/森田

「S−エス−」

水城せとな


「(ジャンルは)BLだけど、少女漫画っぽい」
「(ジャンルは)少女漫画だけど、同性愛っぽさがある」
自分がマンガを読む上での最大の萌えポイントというのがコレ。
今回オススメする水城せとなさんの「S」は後者。

主人公の八神章博(アキ)と桜木智国(サクラ)は小学生の頃からバドミントンでダブルスを組んでいる高校生ペア。 そこへ他校の高校生バドミントンエース・楡崎がサクラの才能を見抜き自分の元へ引き抜くが…というお話。

ここで普通なら。
サクラは楡崎の誘いに対して葛藤しつつも様々な困難を乗り越え、最後は親友であるアキと一緒にバドミントンをやることを選ぶ…めでたしめでたし。
となりそうな気がするのですが、
なんと。
サクラは楡崎とのバドミントンの道を選んでしまうのです。
そこからこのマンガの醍醐味である、アキのサクラへの想い、 楢崎のサクラへの想いが親友からライバルへと変貌した アキとサクラの緊迫した試合と共に描かれていきます。
ネタバレになるのでここでは明かせませんが、 ラストが本当に秀逸。
こうきたか!と思わず唸ってしまいました。
そのラスト一コマで、それまであまり表層には現れなかったサクラのアキへ想いが読み手に一気にブワー−−−と伝わってきて、感動したのと同時に激しく身悶え。

アキとサクラ、そこに琥珀という少女で男女の淡い三角関係が描かれてはいるんですが。
確かに三角関係なんですけど、どっからどう読んでもアキ、サクラ、楡崎の男三角関係なんですよ。
こっちの人間関係がメイン。
BLを描いていらっしゃった水城さんなので、あきらかに確信犯です。
しかも水城さんは「嫌な男」(このマンガではサクラ)を魅力的な男としてみせる心理描写の達人。

親友からライバルへ。親友だけどライバル。
でも決してBLのように恋人にはならない。
これは乙女が大好きな永遠のテーマなんじゃないでしょうか?

全3巻という無駄の一切ないこのマンガの勢いを壊さないためにも、長々と連続ドラマでやるより2時間ドラマや映画での映像化を切に希望。

渋谷店/神原

「史上最強の弟子ケンイチ」

松江名俊


「いつもまわりからヨワムシって言われるし、いつか見返してやりたいなあ・・」
そんな君にはコレ!史上最強の弟子ケンイチをオススメします。
いじめられっこで弱くてもいいんです。でも、守りたいものがあるなら強くなるしかない!

ただケンイチの場合はちょっと危険です。
ムエタイ・中国拳法・柔術・武器・あらゆる武術
それぞれバケモノみたいな師匠5人に囲まれて精進しています。
正直、僕なら逃げます。(ケンイチも逃げるけどすぐに捕まってます)

でも、どんどん強くなって行くケンイチを見ると、自分もしっかりしなくちゃって勇気が沸いてくるマンガですよ!

名古屋店/飯田