まんだらけ宇都宮店お涙頂戴ありがとう

始めの口当たりはなんだかちょっとシブく、しばらくするとほんのり甘酸っぱい。
何粒かにひとつ出現するやたら大きい一粒。
やがて小さくなりゆく球体をどのタイミングで砕いてやろうかという、どうでもいいスリル感。
コドモにはちょっぴり背伸びした気分にさせられる、それが某メーカーのロングランヒットキャンディー、“小梅ちゃん”に対する僕の勝手なイメージです。
それに拍車をかけているのがパッケージに描かれた林静一氏のイラストであることは間違いありません。
誰もが知っている“小梅ちゃん”ですが、僕が「林静一」と言う名前を認識したのはだいぶオトナになってからです。
代表作『赤色エレジー』を歌ったあがた森魚の同名曲から漫画の存在を知り、ジャケットのイラストを描いているのも林静一だという順番でした。

今回ご紹介するこの一冊。
“小梅ちゃん”に始まる氏独特の妖しさ満点の美人画はもちろん、絵本風の動物画、春画っぽい？ものまで多種多彩な世界が拡がっています。
他に林静一インタビューや対談、エッセイなど読み物としても楽しめます。
ちなみに前述のあがた森魚がコメントを寄せているのですが、掲載されているとってもニューロマンティックな写真が時代を感じさせて、しかもちょっとキモイ。
グレイト！80年代!!

最後にここでまったくどーでもいいカミングアウト。
僕は最近まで“アジアン○ンフージェネレーション”のジャケットデザインも林静一だと思ってました!!すいません、ホンットにすいまっせん!!自分のセンスのなさに辟易。でも・・・ちょっと似てね？

月刊詩とメルヘン増刊号『林静一の世界』サンリオ刊￥3，150（税込み）

（担当清水）