まんだらけ中野店 4F 記さぁ、SFを読もう～国産SFはどうして人情味があふれているのか～

まずは、NHK少年ドラマシリーズの代表作にして、国産タイムトラベルものの代表格でもあり、ほろ苦い青春小説（こんな言葉で濁してもいいのだろうか）でもある物語の

タイム・トラベラー
石山透
大和書房／1985年発行
￥1575（税込）

が入荷。
これは、少年ドラマシリーズで放映されたタイムトラベラーと続タイムトラベラーの2作のシナリオをあますことなく収録。
巻末にはNHK少年ドラマシリーズの作品リストも掲載されています。
前にアニメで時をかける少女が話題を呼びましたが、そのアニメを見られた方でもしまだ原作読まれていない方いましたら、原作とあわせてこちらのNHK少年ドラマシリーズ版のシナリオもお読みください。
より一層「時を～」の世界がわかり、どっぷりその世界に浸かれることと思います。

そして

NHK少年ドラマシリーズのすべて
増山久明・編
アスキー／2001年発行
※カバーテープ止め
￥1260（税込）
も入荷しています。

最後に

アンドロイドお雪
平井和正
立風書房／1969年発行
￥1575（税込）

平井和正の小説は哀しい、悲劇的な話が多いように感じられます。
この小説も例にもれず。。
この話は、簡単に紹介すると、

ある老人から貰い受けた「アンドロイド」それは、ロボットであることを感じさせないほど精巧な美しい女性型ロボットだった。
家政婦として働くそのロボットがやがて主人公を愛するようになる。
そこで巻き起こる騒動の数々。
果たして、主人公、ロボットの運命やいかに。

と、そんな話。
ってこれだけじゃはっきり言って読みたくないですよね。
自分で書いておきながら、こんなによくもつまらなく紹介できたと感じます。
でも簡単に書くとこんな形。

では、これはおもしろくない小説なのか？
いえ、それは違います。
平井和正という人物描写に長け、（どうしてこうもよく書けるのか不思議なくらい）悲劇的ストーリー展開にも長けた氏が書けば、これは全く別物へと昇華します。

精巧なアンドロイド、それは実は家政婦ロボットではなく、セクサロイドだった。
単純な思考回路パターンしかない彼女（＝アンドロイド）は、自我が芽生え始める。
そして、主人公を愛するようになるのだが、単純な思考回路パターンしか持ち合わせていない彼女は、主人公を独占しようと狂気の手段を用いてしまう。。
アンドロイドに、ロボットに自我が芽生えたら、それは感情を持つのか？
そしてどういう行動をとるのか？
これは数多くの、SF（小説漫画・アニメ）で問題提起されたことですが、このアンドロイドお雪ではその答えの一つが出されています。

最近出版された新・自虐の詩ロボット小雪。
タイトルで思わずこの平井の小説を連想してしまいました。
内容はロボットが氾濫するある世界を舞台にした物語。
この2作品合わせて読んだら、夜眠れない。。

(担当三次)