(函、帯イタミ) 『韓国2000年の秘法 借力の奇跡』 力抜山著 ¥1575 こう書房 『韓国2000年の秘法 借力の奇跡パート II 《実践篇》』 ¥1575 「借力(しゃくりき)」とは韓国に古くから伝はる古武術で、その名が表はすとほり、自分の力ではなく他の力を利用することで目的を達成するものであります。 さうすることで自分の体格や筋力を超えた力を発揮するといふ訳です。(もっともそのやうにして他の力を利用するといふ武術はなにもこの「借力」に限ったわけではなく、東洋武術全般に通底する共通概念といへませう) とくに「借力」について注目すべき点は、呼吸法を重視し、鍛錬対象を筋力や骨格でなく、明確に「神経」としてゐる点です。 「神経」を鍛へると、だんだん五体が繋がってきて身体が内部から変化して感覚が変はってきます(五体がつながってるのなんてアタリマヘだと思はれますか? 実は通常、人は五体がバラバラなんです)。歩き方ひとつとっても以前とは全然違ってしまひ、もちろん心身ともに健康になります。表層的な筋力トレーニングとは全く異なる効能があります。東洋武術とは元来一元的なもので、武術のスキルだけが上達するのではなく、身体能力全体を向上させた上で、その結果として武術のスキルもアップさせるものなのであります。 本書は借力の第一人者ともいへる著者が、その過程を緻密に解説し体系づけたもので非常に理論的で明快であります。しかも『実戦中国拳法太氣拳』で有名な日貿出版社刊です。極真の大山倍達(崔永宜)の推薦文もあり。
(担当 山口ケン)
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