『易経講話巻1〜5』 公田連太郎述 明徳出版社 昭和36年 (函イタミ、正漢字正仮名遣ひ) 5巻揃価格¥15750(状態に難がありますのでお求めやすい価格になってをります、状態が気になる方は店頭でご確認ください) A「ズヰブンと以前のことになるが、ぼかァ桜花爛漫の下、とても魅力的なひとと邂逅を果たしたんだな。 そんで、その人とそれっきり別れて二度と会はないでゐることも出来たし、また再会しようと思へばそれも可能だった。 要するにまた逢ふかどうかの選択権は僕の手中にあった」 B「そんでどうしたんです」 A「逢ひたいと強く思ったけれども、逢ったら逢ったでメンダウなことになりさうで、ぼかァ迷ったね。 毎日逡巡してゐたが、結論が出ないので自分で易を立ててみたんだな。 すると『兌為沢(だゐたく)の上爻』といふ結果が出た。 そんで岩波文庫の『易経』なんてひも解いてみてもよく分からなかったから、この公田連太郎の『易経講話』を参考にしたんだ。 この『易経講話』は解説の量が半端ぢゃないからね、他の易書に比べたら詳しさが違ふ。 シカも文体が口述形式になってるから生講義を聴いてるやうで分かりやすい」 B「そんでどういふことが分かったんですか」 A「こんなことが書いてあった。 『この結果が如何なるか〈中略〉成り行きがまだ定まらないので、此爻には吉凶禍福を言ってないのである(本書第4巻364頁)』ってね。 フザケんな、と思ったよ」 B「どうして?」 A「だって、僕は『あの人と逢ふことは吉ですか凶ですか?』と聞いてるんだよ。 にもかかはらず、『吉になるか凶になるかは分からない』なんて、それぢゃ答へになってないでしョ。 何のための易なんだって思ったよ」 B「なるホド」 A「しかし、さらに考へてみると、運命といふものはそもそもさういふものなんだよね。 つまり『禍福未(いま)だ発せず猶(なほ)化す可(べ)きなり』といふ…」 B「よくわかりませんが、つまり、どういふことです」 A「つまりは人それぞれに宿命といふガイドラインはあるけれども必ずしもそのとほりばかりに進む訳ではなく、選択出来る運命もある、といふことなんだな。 少なくとも禍福の結果が顕在化するまでは不確実である、といふこと。 運命とは固定化されたものではなく、もっと動的でダイナミズム溢れるものなんですな、そんなことを、この明徳出版の『易経講話』を読むことで改めて認識いたしました」 B「ふ〜ん。 で、その人とは結局逢ったんですか?」 A「それについては……今は申し上げたくありませんので、またの機会に」 以上
(担当 山口ケン)
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