まんだらけまんだらけ小倉 1F ムック父性の喪失と簒奪と復権「漫勉」浦沢直樹

今回は『「漫勉」浦沢直樹』をご紹介します。

今年は「20世紀少年」も劇場公開され、浦沢直樹先生といえば、もはや日本を代表する漫画家です。
日本を代表するような漫画家は他にもいますが、浦沢先生の場合は他の作家たちと少しニュアンスが違っているような気がします。
そのニュアンスとは、例えば「日本だけでなく海外で評価が高い」ことであった、「ストーリーテラーとして高く評価されている」ことであったりするのですが、もっと根本的な、本人の資質的なこととでもいうのでしょうか。
あくまで担当の勝手な想像ですが、その絵やストーリー、そして本人の言葉などから伝わってくることは、「手塚治虫に代わる漫画界の第一人者になる」という傲岸なまでの野心ではないでしょうか。

浦沢先生のマンガに、子供を亡くした父親が出てくるのは、ファンなら周知の知識でしょうし、また望まずに父親になってしまった頼りない男も多く出てきます。
これらを「父性の喪失＝偉大な先達の死」と結びつけたり、失くした子供を取り戻そうとする行為や他人を支配しようとする黒幕を作者自身に結びつけるのは、牽強付会でしょうか。

いずれにせよ、この画集にはこれまで発表してきた作品のカラー絵の他、未発表のイラストが多数収録されています。
特に女性を描いたイラストが多いのが特徴的です。浦沢先生描く女性には、他の作家にはないセクシーさがあると思うのですが。あと、「PLUTO」のウランが無駄にセクシーです。

お買い求めの際は、是非まんだらけ小倉店へお越し下さい

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(担当有冨)