今やってるドラマ版「銭ゲバ」の風太郎の左目は
父親の暴力による外傷、っていう設定なんですね。
確か原作ではそんなシーンは無かったです。
原作では風太郎の左目は二重丸に斜線一本で描かれてました。
中盤に登場する風太郎の子供もこの目です。
左目に傷は「バラの坂道」の土門くんの方だろ、と思いつつ、
いろいろ難しい問題をはらみそうですから、そうしといた方がいいんだろうなと納得です。
さて、この二重丸に斜線一本の目をもつキャラクター、
ジョージ秋山漫画にはよく出てまいりまして、この記号は
コンプレックスの象徴みたいになっております。
で、やっぱりこの表現、結構な難物っぽいのです。
と、いうことでこちらのご紹介。
・ぱる出版 ジョージ秋山『アシュラ』上下巻セット
アシュラです。ジョージ作品ではかなり有名な方だと思います。有害図書との誉れが高いです。
単行本は5種類、「朝日ソノラマ」「日本文芸社」「立風書房」「ぱる出版」「幻冬舎」から出版。
現在、手に入るのは「幻冬舎」の文庫版です。
ところでこの文庫版を読んでなにか違和感を覚えた方はいないでしょうか?
物語り終盤で唐突に、謎の眼帯の男が現れます。何の脈絡も無く。
普通に読んでるとナンダコリャ?となること必至。
この蒲郡風太郎似の眼帯の男「蟇王丸(がまおうまる)」が単行本アシュラをややこしくする張本人です。
アシュラの単行本は収録状況が物によって異なっておりまして、
すべてにおいてカットされたページ等が存在し、完全版は未だ存在しない状況なのですが、大きな違いとして
・蟇王丸登場のエピソード(約40頁)がまるまる削除、
最後に唐突に出てくるものの左目に眼帯(上から加筆?)
・登場エピソードが収録されているものの左目に眼帯
・エピソード収録、眼帯なし(左目は二重丸に斜線一本)
と、いう感じです。一番上のバージョンでも蟇王丸が物語ラスト間際に
作品上重要な台詞を吐くので登場のエピソードを消せても存在自体は消せないのが
すっきりしないところです。前述の「幻冬舎」の文庫版はこれに当たります。
で、一番下のバージョンが原作が一番活かされている状態のもの、という事に
なるのですが、これが今回ご紹介する「ぱる出版」版。
コレクション目的でなく読むのが目的なら、アシュラを読むにはこれがオススメです。
実際、何が原因で蟇王丸に改変が加えられたのかははっきりしないのですが、
でも、わざわざ眼帯を描き加えたバージョンが存在するという事は
やっぱり左目の表現に問題があるのかな・・・と、思います。
半ば無理やり「銭ゲバ」と「アシュラ」をつなげてみました。
現状初出に最も近いぱる出版のアシュラ。
この機会に是非。
(担当 久保)
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