スポ根漫画で一時代を築いた兄・梶原一騎に自分が勝てるもの、それは徹底的な悪党を描く事。
真樹先生の漫画におけるアイデンティティともなっている作品です。
『巨人の星』『あしたのジョー』『リュウの道』と並んで横尾忠則が手がけた少年マガジン表紙の素材の一つに選ばれているのも、『ワル』が社会に鮮烈な影響を与えた事を伺える出来事の一つです。
今では当たり前になりましたが、35年前は生徒が女教師をレイプする少年漫画は異端でした。
幼少期のトラウマから暴力依存症と平穏アレルギーを併発した青年・氷室洋二を主人公に、徹底的な悪を描く本作は少年マガジン・プレイコミック・週刊実話と3誌に渡り、30年という長い連載期間に肥大した実社会の歪みが、真樹先生が描こうとしたワルの本質が浮かびあがらせたのです。
ザッとおおまかな流れを単純に説明すると、
- ワル=ワルVSワルを矯正しようする人間
- 新書ワル=ワルVS自分と同じワルの血を持つ人間
- ワル正伝=社会に溶け込めない人間としてのワルVS社会を利用するワルとの戦い
- ワル完結編=ワルなりのケジメのつけ方
まさに一大『ワル』サーガ!!
「人間の本質は善悪では裁けないけど、美醜でなら裁ける」これは同時期に連載の、『ワル』と真逆とされていた真樹先生原作『とべない翼』(画・梅本さちお)の言葉ですが『ワル』の本質もここにあります。
ものすごく複雑な心理を扱う漫画なので全く受け付けない人も多いかと思いますが、そんな方は『新書ワル』だけでも読んで見てください。『ワル』シリーズの中でも最高の出来!!
もちろん単純にステゴロ資料としてもマスト。
- 講談社『ワル』全13巻※保存用
- 日本文華社『ワル』全13巻※読み用 (※日本文華社版は講談社KCの復刻ですが、13巻は『ワル外伝』が唯一単行本化されたもの)
- 秋田書店『新書ワル』全12巻
- 有朋堂『ワル正伝』全7巻(以降未刊行)
- コアマガジン『ワル完結編』全3巻
\42,000(税込)
とりあえず読破を目指す方や、これからのガン読み用にする方向けです。
あと、ウチの出してるまんだらけZENBU32号(2006年9月発売)では自分が真樹先生にインタビューしたのが載ってます。真樹作品を紐解く上でのヒントがギッシリなので、こちらもどうぞ!!
(担当 國澤)
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