西洋オカルティズムを語る上で欠かせない人物であるルドルフ・シュタイナー。
その彼の人智学思想を建築に顕現させたのが「ゲーテアヌム」といふ一連の異様な建築物です。
本書はその「ゲーテアヌム」の写真集。
人智学は神秘主義のなかでも比較的哲学的な側面が強いものといへます(プラトンまたは新プラトン主義の影響下にあるとのこと)。
神秘思想なんていふと非常に怪しげな雰囲気がしますが、単に『真実の追究の方向が外向きでなく内向きである、つまり自らの内に真理を求める思想』のことだと考へればさして怪しむに足りません。
特にシュタイナーの人智学協会は哲学的で科学性を重視してるのであるから尚更怪しいことなんてないハズです。
しかし。
どうしてかこの「ゲーテアヌム」をみると非常に怪しい感じがします。
あへて表現するなばデモーニッシュ。
映画「続・猿の惑星」で自身をケロイド姿にしたコバルト爆弾を崇拝する未来人の宗教施設のやうな、あの不気味な賛美歌のやうな。
或ひは『漂流教室』でキノコを食して心身がヲカシクなっていく同級生たちの美的感覚に近いでせう。
これが「善」とか「真理」の顕現だとは到底思へません。
が、自分の直感を過度に信頼するつもりはありませんので実際はどうなのでせうね。
なんであれ一見の価値(「猿の惑星」や『漂流教室』に観る価値があるのと同様に)があるでせう。
建築学の方面からみても非常に示唆に富んでゐると思はれます。
(担当 山口ケン)
ご注意点
掲載の情報が販売情報の場合
- 掲載商品についてのお問い合わせは(指定がある場合は上記コメント内に記しておりますのでご確認ください)開店30分後からの受付となっております。各店の開店時間は、店舗情報にてご確認ください。
- 掲載の商品は店頭でも販売するため売り切れる場合がございます。
- 商品の探求は、専用の探求フォームをご利用ください。
掲載の情報が買取情報の場合
- 掲載の買取価格は商品状態、在庫によって予告なく変動します。