まんだらけ渋谷店憂国の虎 - まんだらけトピックス

かつて新日本プロレスで一世を風靡し、多くの格闘家に影響をもたらした伝説のプロレスラー、“初代”タイガーマスク。
その正体は佐山聡。タイガーマスク終了後紆余曲折を経て、現在でも再び初代タイガーマスクとしてプロレスのリングに立っています。

その「紆余曲折」といえば旧UWF、修斗、そして掣圏道・・・と格闘技目線でざっくり言えばこうなると思われますが、その過程の中で自身の持つ深層的な部分が年々膨れ上がり、現在では格闘家と共に思想家としての活動が大きな割合を占めているようです。

当初は“市街地型実戦格闘技”と謳っていた掣圏道も思想面が大きく反映し「掣圏真陰流」と名前を変え、武道に欠かせない精神性をより重んじる内容となっています。

その思想から当初は否定していた「右翼」という言葉もついには認め、骨抜きになってしまった現代日本人を嘆く。
かつて子供達に夢を与えた天才プロレスラーは今、現実の中で闘っているのです。

今回ご紹介のこちらはそんな佐山聡の近著。これまでの著作が格闘技本の範疇であったのが、この本では精神世界的な部分に大きくページが割かれています。
「武士道」「戦闘生理学」「不動心」など、サムライの時代から現代に通じる、闘うための心得。
そんな佐山氏を見ていると格闘技も武道も右翼的思想も、そもそものスタートは「強さ」への探究心なのではないでしょうか。そんな気がします。

アメリカから相手にしてもらえず国民からも愛想を尽かされた総理大臣、横綱大関が外国人ばかりで不祥事にまみれた国技・・・。
特に自ら興す武道を大相撲のような神事にしたいと公言している佐山氏にとってはこの国にはいちいち苛立っていることでしょう。

後半ではいよいよ掣圏道の技術解説。
やっと格闘技書っぽくなります。しかしここで登場する人物が身に着けているのは初期に使われていた白い道着ではなく袴（のようなもの）。
ここに神事への理念が表れています。

さらに付録のDVDでは最近の活動の中核をになっている、不動心を作るための催眠法、そして掣圏真陰流の演武が収録。
武道と精神世界を扱うまんだらけ記憶・大予言コーナーにとっては双方がバチーン！とリンクした、まさに奇跡の一冊。

『佐山原理新生武士道真陰』（佐山サトル/東邦出版）

どーですか、お客さんッ!!

記憶コーナーにいらっしゃい！

(担当清水)