その特徴はSFやファンタジーの枠を捕われない秀逸なストーリーまわしにあるといえるでしょう。
先生の作品はオリジナルだけでなくガンダムやダンクーガ、鉄人28号などのロボットアニメの漫画も存在していますが、そのいずれもがその作品への愛へ溢れているだけでなく、一つの作品としてきちんと成立しているから高い評価を得ています。
それゆえに先生の代表作である「機動戦士クロスボーン・ガンダム」も本来は公式の作品ではないにも関わらず、一部のゲーム等にも出演し多くのファンに愛されているといえるでしょう。
現在でもネット連載であるFlexComixブラッドでの「マップス ネクストシート」や月刊コミックラッシュで連載中である勇者ライディーンの関連作品「ゴッドバード」等を連載中と現在もバリバリと活動しています。
漫画家が意外な雑誌からデビューするのはよくあることですが、SF色の強い長谷川先生が秋田書店の雑誌からデビューしているのは意外な事実といえるでしょう。
そんな「魔夏の戦士」ですが、デビュー作でありながらいわゆる長谷川節は健在。
裸の女の子や、独特のクリーチャー、そしてハードSF的な設定とストーリーとデビュー当時から長谷川作品に太く一本通ったテーマは完全に確立していたことは非常に興味深いです。
独特の絵柄の方も、殆ど変わらない…この作品のときのほうがちょっとだけうまいような気もしますが、そこらへんの変動しなさはデビューから25年以上経っても先生が超人だといえるでしょう。
ちなみにこの作品、デビュー作でありながらかなりキチンと創られた作品で、読後感もすっきりのかなりの秀作です。
またここからは名言はされてはいませんが、HXL(ヒーロークロスライン)にて連載されていた原作長谷川裕一先生、漫画栗原一実先生による講談社の「MEAN 遥かなる歌」が共通点も多く、事実上のリメイクになっていると考えられますのでそちらのほうもチェックしてみるのも一興かと。
他にも同じく「月刊少年チャンピオン」にて発表された表題作の1989年発表の「BEMADER・P」や、「ネッシー2001」も収録されています。
「BEMADER・P」は連載もので、マップスに似たボーイミーツガールなSF冒険譚となっています。
「ネッシー2001」は完全なSF作品で、地球最後の謎になったネッシーをテーマにアクションが繰り広げられます。
この作品も初期の読みきりながらも話のオチのほうはかなり秀逸なものとなっており、純粋にSF作品としても優れた作品といえるでしょう。
どの作品も、子どもの頃に持っていた、冒険心、ドキドキワクワクする心が刺激されるテーマで、最初期の作品でありながら魅力溢れた作品に仕上がっています。
最近ではあまりみられない長谷川先生のオリジナルの短編、しかも最初期の作品が収録さえたファンなら絶対に押さえたい作品になっています。
そんな「BEMADER・P」、あなたの本棚に加えてみてはいかがでしょうか?
(担当 黒田)
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