明治になって医療制度が改められそれまでの漢方医学は排斥され、ドイツ医学を中心とする西洋医学至上主義が医学界を支配しました。
その名残で医師が東洋医学を蔑視するやうな風潮が随分と長く続いたやうです。
それがだんだん変って来て、現在では大学病院にも漢方治療科が設置されてるホドになりました。
大きなキッカケは恐らく日中国交回復でせう。
中国ブームが到来して、その影響で我が国の漢方・鍼灸も見直されるやうになったといふワケです(本論とずれるので詳細は省きますが中国でも伝統医学は排斥されたのですが、毛沢東の個人的な気まぐれによって存続したといふ皮肉な経緯があります)。
逆に云へば、その中国ブーム、中医学ブーム(多分にイデオロギッシュなものではあったが)がなければ日本で伝統医学が見直されることはなかった、或ひはかなり遅れたことでありませう。
そのくらゐ伝統医学は蔑視されてゐたのです。
その風潮が全くなくなったとは云ひませんが、しかし現在のお医者さんは非常に柔軟になり「理屈はともかく治れば良い」といふ傾向が強まってゐるやうです(現代医療では治らない疾患が激増してゐるのが原因とのこと)。
そんなときにお医者さんや薬剤師さんが東洋医学をやってみたい、と思っても現在の医師資格の過程に東洋医学は必須ではないのでなかなかむつかしいやうです。
よく「現代医療+東洋医学」なんて軽く云はれますが、実はそれほどカンタンなことではなく全く別の医療観、人体感を持ったものを折衷するのはなかななか至難で、現代医学知識をベースにところどころ東洋医学のエッセンスをつまみ食ひするといふことは原理的には無理があります。
だから、どうしても一から東洋医学体系を勉強しなけえればならず、その労力が大変だと思ひますが、使命感のある先生方が漢文のテキストなんかと一生懸命格闘されてる姿を想像するとアタマの下がる想ひが致します。
といふことでそんな医師薬剤師さん用の書籍のご案内です。
素人からすると正直本書の利点がどのあたりにあるのかよくわかりませんが、何せ漢方医の大家、大塚敬節先生の推薦文があるのですからきっと良いものなのでありませう。
曰く「平易でわかりやすく、研究資料として活用し、臨床にも用いてみたいと思うようになった[略]膨大な内容を丁寧にまとめてあり、漢方臨床医典として、この書は大いに役立つであろう」とのことであります。
「漢方洋方病名対照一覧表」「鍼灸経穴取穴図解」付き。
是非臨床にお役立て下さい。
オンラインからもお求めになれます。
(担当 山口ケン)
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