表紙・沙村広明、執筆陣・町田ひらく、早見純、玉置勉強、町野変丸、明治カナ子、華麗王女、など、そうそうたるメンバー。
ただのエロ本ではない、このあたりが好きな人なら狂喜するぐらいの素晴らしすぎる本。
まず沙村先生の美少女無残絵の表紙に目を奪われ、1ページ目の町田ひらく先生のカラーに釘付けになり、そこからはめくるめくアンダーワールドに堕ちていく。
個人的には玉置先生が描く身体障害のある少女が主人公の話が好きです。
タブーで最低なのにちょっと感動する、という不思議な作用がありました。
今ではこれらのアンソロに載っていた漫画はほぼ先生方のコミックスに収録されています。
この本の魅力はなんと言っても編集長・多田さんの最後のコメントページです。
廃刊の危機を何度もむかえ、1号が出たあと早見先生に「1号が面白くないから2号書きたくない」と言われたり、さまざまな困難を乗り越え、こういう先生方と一緒に仕事がしたい!
お給料を払いたい!という熱意で本を出し続けたのです。
「激しくて変」が4号で廃刊になり、光彩書房から一水社へ移動し、2001年今度は「暗黒抒情」と改名。
ふたたび沙村先生の表紙で作った「暗黒抒情」は2号で廃刊。
”平成の世に暗黒の毒花を咲かせ散っていった”2号となりました。
その後も編集長は再び2002年光彩書房から「知的色情」という名前でアンソロを出版。
明治カナ子先生の表紙で執筆陣にほりほねさいぞうなども加わり彩りを増しますが、こちらも3号で廃刊。
そして次に2003年「Hのある風景」と改名して再び発行しますが3号で廃刊。
最後のインタビューの中で編集長はこんなことを言っていました。
「…確かに若いころの私には既存の商業誌に不満を持っていた。
私の読みたい漫画がどんどん隅においやられ、クソ面白くもない漫画がはびこる体制になっていた。
しかし今、私には私の読みたい漫画がわからない。私の求めている漫画が見えない。
そんな編集者が作った漫画が売れるわけもない。自分はもうこのテの本は作らない…」
そしてこのテの本は、「地獄の季節ーグロリズム宣言ー」という一水社のグロアンソロを作った若手に引き継ぐと、言っています。
最後はそのようにして散っていった「激しくて変」でしたが、こういう本が商業誌で出ることも、赤字覚悟でここまで作った編集長はやっぱり素晴らしいと思います。
「地獄の季節」以降もこのテのアンソロは出ていません。
電子書籍化が進み益々こういった本はなくなると思いますが、こうして形になっているものは残していきたいですね。
長くなりましたが、この「激しくて変」シリーズが全部そろいましたので、各部セットで販売します。
まんだらけ中野店本店 II ショーケースにて販売いたしますので興味のある方は是非お越しください。
(担当 田路)
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