もともとは児童小説の亜流、という形から生まれた感の強いライトノベルはその性質上、イラストを表紙から作中まで多用することが定番となりました。
そして、比較的早い段階から、そのイラストレーターには多用な人たちが起用されています。
(図1)
自身も数多くの小説を手がけている安彦良和さんはもちろんのこと、北爪宏幸さんや神崎正臣さんなど、数多くの多用な人たちが、ライトノベルの黎明期からイラストを手掛けていました。(図1)
おおざっぱにいってこれらの人たちに共通しているイメージは『(キャラクターを描く)本職』というところでしょうか。漫画家やアニメーターといった人たちが、キャラクター小説であるところのイラストを多く手掛けていたのは至極当然ともいえます。
それからやや時代が下っていくと、少しずつですがイラストを手掛ける人たちが変わってきます。
言い方が難しいですが、職業色の強い人たちから、やや趣味色の強い人の割合が多くなってきた、というと語弊があるでしょうか。
(図2)
(図3)
ちょうどライトノベルの隆盛とやや前後して、”昔の価値観でいえば漫画的ではあるけれど、厳密にいえば漫画ではない絵を描く”イラストレーターの人たちが急激に増えることになります。
そして、過渡期にあって急激に発行部数を増やしたライトノベルの多くが、その人たちによってイラストを手掛けられていくことになるのです。
次回の話はさらにこの続きの予定です。
(担当 有冨)
※この記事は2009/9/2に掲載したものです。